会社員としてプロジェクトを進めようとした際に、関係部門から反対意見が出て、うまく進まなかった経験はありませんか?
会社員の根回しは、コソコソ動いてくだらない印象がありますが、根回しは重要で、事前に偉い人に次の会議でこの議題を進めたい旨を伝えるだけで、反対意見が出なかったり、スムーズに会議を進行させる事ができるようになることがあります。
特に気分屋のタイプの人は、事前に聞いていないと決裁を下さないこともあります。
「事前に話を通すかどうかで、結果が出るスピードが変わる」そういうことがあることを理解して、仕事を進める必要があります。
- 根回しが上手な人の具体的な方法とコツを理解できる
- 根回しが上手な人が実践する事前調整の重要性を学べる
- 根回しが上手な人が活用する反対意見への対応方法を知ることができる
- 根回しが上手な人が仕事をスムーズに進めるためのステップを理解できる
「そんなこと私は聞いていない!」と怒り出す意思決定者層の偉い人がいる限り「根回し」は不滅です。「火消し」の方がエネルギーを割く非効率業務ですので。
— Kaz (@Kazneedscaffein) June 23, 2024
根回し上手な人とはビジネスでの事前調整ができる人
「根回し」とは、「事前調整」のことです。例えば、新しいプロジェクトを進めたい場合、公の会議の場で初耳のプランを提示されると、反対意見がすぐに出ることがあります。反射的に反対する人もいるでしょう。
新しいことを始める(またはやめる)という内容は、関係する部門にとっては今のルーチンを変えることになるため、負担が発生します。「現状を変える」意見に反対せずに通した場合、あとからその部門に不利になったり、余分な負担がかかったりするケースがあり、反対意見を言わなかったことが責められる場合もあります。
したがって、事前にキーマンには発表内容を示して反対意見を事前に聞いた上で、代替案や折衷案を出すことが必要なのです。
「根回し」と聞くと「裏で」「こっそり」などの悪いイメージを持ちがちですが、仕事を進める上で必要な「事前調整」として捉えるのが良いでしょう。
根回しする人を「くだらない」「気持ち悪い」と評価をするのは危険
ぐうの音も出ない正論であっても、その場では反対されなくてもプロジェクトの進みが悪くなることがあります。
会議終了後に自部門に戻って「あんなのうまくいくわけない」と影で反対を表明されることがあります。
良い提案だからといって、単純にオープンの場でいきなり提案しても、うまくいかないことが多いです。こういった事態を避けるためにも根回しが必要です。
ワンマン会社の社長からの指示であれば根回しは不要か
あなた(またはあなたの部門)がワンマン社長から、プロジェクトを進めるよう指示を受けたとします。多くの場合、「協力してくれない場合は社長に言いますよ」という空気感を出せば、いつも反対する人でも協力してくれるでしょう。
しかし、みんなが嫌々取り組むとプロジェクトの進行が遅くなり、後から次々と課題が出てくることがあります。順調に見えたプロジェクトが、蓋を開けたら課題だらけという状態だった場合は、事前の調整不足だった可能性があります。
そこで、できればワンマン社長からの通達がオープンになる前に、関係部門のキーマンに事前に相談しておくのが良いでしょう。
ワンマン社長からの指示なので、「やるかやらないか」の議論にはなりませんが、あなたにはプロジェクトを期限までにやり遂げる責任があります。
これを行うかどうかで、プロジェクトの進行スピードが大きく異なってくるため、間に合わせたいのであれば、事前調整は必須です。
「根回し」上手な人は何をしているのか
根回しとは、事前に関係者に話を聞き、課題がなければ了承を得ておき、課題がある場合は解決のための段取りをしておくか、その場で対応策を示して納得してもらうことです。
会社には「自分に黙って進めやがって」「俺は聞いていない」という人たちが一定数います。こうした人たちへの配慮・対策が必要です。
プロジェクトが公にスタートするタイミングまでに必要な事前調整を全て終わらせておけば、プロジェクトスタートの会議は単なる顔合わせやセレモニーとなり、順調にスタートさせることができます。
根回しの具体的な動き
例えば、あなたが大きなプロジェクトを進める場合、根回しの第1段階は関係者への話を聞くことです。具体的には、「そのプロジェクトを進める際の課題になるものは何か」を関係者に事前に聞いておくのです。
これだけでもプロジェクトに関する情報を収集できるので、プロジェクトの精度が上がります。
話を聞きに行った時に反対意見や課題が出るようであれば、それを事前に知ることはラッキーです。
プロジェクトが公に動き出す前にその課題を解決する方法を事前に提示し、納得してもらえれば反対はなくなります。
解決ができなくても、プロジェクト進行中に課題が出る可能性を明記しておけば、反対の理由にはならず、みんなで課題を解決して前に進める流れに持ち込むことができます。このような打ち出し方をすることも、事前に反対意見を出した人に知らせておくことが大事です。
初心者向け根回しのやり方
事前に内容について相談し、問題点がないかを確認する場を設けます。
プロジェクトの場合、構想段階から相談すれば「そんな話は聞いていない」ということは基本的になくなります。
最初の段階から色々な人の話を聞くのは遠回りで面倒だと思うかもしれませんが、結果的に案件が通るスピードや実行協力を得られるスピードが段違いです。
最初に色々な意見を聞くことで、的外れな進め方や提案になりにくく、結果的に手戻りが少なくなります。
ポイントは、あくまで相手にどうすればいいかを聞き、課題を教えていただくというスタンスでコンタクトを取ることです。
会議前にメールなどで連絡するだけで根回しが完了したと思っている人がいますが、それは単なる事前の連絡です。
相手の時間を割いて相談するので対面が望ましいのですが、時間や距離の制約で難しい場合は、Webミーティングやメール+電話での直接会話が必須です。
反対屋・評論家への対応方法
何でも反対する人や評価だけして手を動かさない人に対しては、相談するフリをして一緒にどうすればプロジェクトが成功するかを考えてもらうのが一番です。
心情的に味方になってもらえれば、いくら反対ばかりする人でも、自分が初期から考えたアイデアを否定することはないはずです。
反対ありきの人は薄っぺらい内容で反対していることが多いですが、面倒でも細かい内容に対応し、良いアイデアが出れば取り込んでしまいましょう。
事前の問題点がすぐには解決できないない性質のものであったとしても、改善を約束することで公に反対されなくなります。「自分の意見が反映されている」と受け取られ、「気持ちよく」させることがキモです。
日本の偉い人根回しあるあるに、「結論だけ持ってくと絶対(尊厳を求めて)ひっくり返すので途中でちょいちょい相談の形で報告してクリティカルでないところを選ばせ自分が決めさせた感を持たせておく」ことで後の対応時間を節約する、というのがあるけれど、幼児対応も全く同じだなと思う日々。
— ちゃんみつ (@chanm) September 24, 2022
どの順番で根回しするか
まず直属の上司には提案内容の共有が終了している前提で、誰から先に根回しをすべきでしょうか。
Aさん. プロジェクトの総責任者になりそうな偉い人(役員か本部長)
Bさん. 何を言っても反対する人(社内での声は大きいが、協力がなくてもプロジェクトは進む)
Cさん. プロジェクトを一緒に進める部門
Dさん. プロジェクトに協力を得たい部門
Eさん. プロジェクトを進めるにあたり、許可が必要な部門(経理・技術など)
答えは、役職が一番偉いA さんではありません。仮にA さんと仲が良くても「他のみんなに相談したのか」となります。
建設的な議論ができそうであれば、C さん、 D さん、 E さん人も順番としては後で良いでしょう。
一番反対しそうで声が大きい厄介な人を優先します。難しいからと言って後回しにしてはいけません。後回しにされたという事実だけで二度と賛成してもらえないケースもあります。
ここではBさんに「どうしたらプロジェクトが成功するか一緒に考えてもらう」スタンスで相談します。
それでも反対するような厄介なBさんがいる場合
仕方がないので、Bさん以外の同意を得て、やらざるを得ない状況に持っていくしかありません。Bさん以外に根回しをし、トップに根回しをしてプロジェクトを決定し、Bさんにもその後フォローします。
Bさんのような、厄介な人には逐一報告を入れるくらいがちょうど良いでしょう。
面倒ですが、それが根回しであり仕事を進めるということです。
根回しのその他のメリット
根回しをすることでプロジェクトを順調に進めることができる以外にも、以下のメリットがあります。全て自分にとってプラスの効果がありますので、面倒がらずに取り組むことが大切です。
- 知識が広がる
事前に関係者に情報収集をすることで、プロジェクトを進める上で必要な知識があなたに集まります。 - 人脈が広がる
根回しが必要な人たちは、会社内で一定の力を持った決済権者です。こうした人たちと繋がりを持つことで、問題が起こった際にも協力を得られる可能性が高まります。 - 評価が上がる
根回しを受ける人にとってあなたは「事前にあらかじめ言いに来てくれた人」になります。人より先に情報を教えてくれる人に対しては、信頼感や親近感が上がります。結果的に、あなたへの印象が良くなることが期待できます。
根回しが上手な人に学ぶ、事前調整で仕事を進める具体的方法:まとめ
以上が、プロジェクトを進める際に必要な根回しの重要性と具体的な方法です。ビジネスの場では、適切な根回しがプロジェクトの成功に大きく寄与することを理解し、実践してみてください。
- 根回しはプロジェクト成功のために重要である
- 事前に関係者へ情報を伝えることで反対意見を減らす
- 上司やキーマンに事前に相談し協力を得る
- 反対意見が出る前に代替案や折衷案を用意する
- 「裏で」「こっそり」ではなく事前調整と捉える
- ワンマン社長の指示でも根回しは必要である
- 反対する人とも相談し、意見を取り入れる
- 構想段階から根回しを行い問題点を確認する
- 根回しは対面で行うのが望ましい
- 根回しを通じて知識や人脈を広げる
- 批判ばかりする人には一緒に考えてもらう
- 順番は反対しそうな人を優先する